【ゲーム紹介】Harpoon Classic ’97｜現代海戦を指揮する本格シム

現代海戦シミュレーションのレジェンド『Harpoon Classic ’97』が、ついにSteamで遊びやすく復活。あたし的には「教科書みたいなゲーム」って感じで、派手さより“本物っぽさ”重視のガチ勢向けタイトル。古い見た目にビビらず、艦隊指揮の奥深さを味わってほしい一本。

基本情報

『Harpoon Classic ’97』は、現代海戦シミュレーションの名作『Harpoon』シリーズの決定版とも言われる一作。プレイヤーは一隻の艦長じゃなくて、“艦隊をまとめて預かる司令官”ポジションで、各国の艦艇・潜水艦・航空機をまとめて指揮する。

マップは上から見下ろす2D表示で、見た目は地味なんだけど中身はかなり本格派。北大西洋、グリーンランド〜アイスランド周辺、インド洋＆ペルシャ湾、地中海といった複数の戦域を舞台に、対潜戦、艦隊決戦、航空攻撃、護衛任務などシチュエーション違いのシナリオが250本以上用意されてるのがポイント。

基本はリアルタイム進行だけど、ポーズをかけて命令を整理できる“ポーズありRTS”スタイル。各部隊に哨戒コースを引いたり、攻撃隊の出撃タイミングを合わせたり、航空機の兵装を選んだりと、やること自体は地味なんだけど、そのぶん「自分で作戦を組み立てた」感がめっちゃ強い。

今回のSteam版では、当時のUIをベースにしつつ操作周りを整理したインターフェイスと、初心者向けのクイックスタートモードが入ってる。最初から全部を理解しなくても、簡単なシナリオを遊びながら少しずつ慣れていける構成になってるのがありがたいところ。

Steamのユーザーレビューは、全体としては好評寄り。評価している人たちの声をまとめると、こんな感じ。

一方で、長年Harpoonシリーズを追いかけてきたコア勢からは、ちょっとシビアめな意見もある。

Steam版のベースが、もっとも新しいHarpoon Commander’s Editionではなく、あくまで『Classic ’97』のバージョン1.6x系であることへの物足りなさ
UIや解像度周りが、あくまで“レトロゲーム”の範囲で、最新ストラテジーに比べると不便に感じる
難易度や情報量がガチなので、「軽く海戦ゲームを触ってみたい」レベルの人には敷居高め

とはいえ、「いま合法的にHarpoonを買える場所がほとんど無い中で、このクラシック版が手軽に買えるのはありがたい」という声も多い。シリーズへの入り口として、まずはこのSteam版から始めるのも全然アリなポジションになってる。

まず大前提として、このゲームは“雰囲気で遊ぶ海戦アクション”じゃなくて、“現代海戦をちゃんとシミュレートするストラテジー”。だからこそ、ハマる人にはたまらないポイントがいくつかある。

シナリオのバリエーションがとにかく豊富
小規模な対潜戦から、空母打撃群どうしの殴り合いまで、とにかくケーススタディが多い。現代海戦ボードゲームがそのままPCになった、みたいな感覚。
武器やセンサーの挙動がかなり細かい
対艦ミサイルの射程や探知距離、レーダーやソナーの特性など、各ユニットの長所短所を理解して使い分けると、一気に“分かってきた感”が出てくる。
作戦立案ごっこが本気でできる
艦隊の進路、哨戒ライン、航空攻撃のタイミング…全部自分で決めるので、うまくハマったときの達成感がかなり大きい。失敗するときも「どこで読みを間違えたか」を振り返れるので、反省→次の作戦に活きる流れが楽しい。

もちろん、英語オンリー＆古風UIというハードルはある。けど、マニュアルと簡単な英単語が読めれば、少しずつ操作は分かってくるはず。むしろ「現代海戦の専門用語に慣れたい」「ミリタリー系英語の読解に挑戦したい」という人には、最高の教材になりそうな一本でもある。