前回はグラベル(ダート)編やったから、今回はターマック(舗装路)専用のラリードライビング講座いくよ。
同じラリーでも、
- グラベル:常にちょい滑り前提
- ターマック:基本は“グリップさせて走る”世界
って感じで、考え方がかなり変わる。サーキットとも微妙に違う「ラリーならでは」のポイントもあるから、そのへん中心にまとめてく。
1. ターマックラリーの基本的な考え方
◆ 「滑らせる」のが正義じゃない世界
ターマックはアスファルトだから、グラベルと比べて
- 摩擦係数高い
- タイヤのグリップ量が多い
- ブレーキもステアも強く効く
っていう世界になる。
だから、グラベルみたいに
「とりあえず横向けとけ〜」
だと、ほぼ確実に遅い&タイヤが死ぬ走りになりがち。
ターマックラリーの基本は:
“必要なときにだけ”車を動かして、あとはなるべくスムーズにグリップさせて走る
って意識。
◆ それでも「サーキット走行」とは違う理由
サーキットと比べて、ターマックラリーは:
- 路面の変化(ウェット/ドライ/ダスト)が激しい
- コーナーの先が見えないブラインド多数
- ギャップ・細かいうねり・カマボコ路面みたいな要素も多い
ので、
「理論上これが最速」よりも、「ミスしても戻せるライン&操作」が大事
になってくる。
そのために、荷重移動を丁寧にコントロールすることがめちゃ大切になってくる。
2. コーナーの分解(ターマック版)
ターマックでの1コーナーを、まずは素直に分解してみると:
- ストレートで近づく(全開 or 高負荷アクセル)
- ブレーキポイントでまっすぐ強くブレーキ
- 減速がほぼ終わるタイミングで、ブレーキを抜きながらステアを入れる
- 向きが変わり始めたらブレーキ完全オフ → 軽くアクセルでバランス
- クリップ過ぎたらアクセルを踏み増して脱出
基本の流れはグラベルと似てるんだけど、違うのは:
- グラベル:ある程度滑らせる前提
- ターマック:滑り出すギリギリ手前で止める/軽く動かす程度
を目指すとこ。
つまり、よりペダルとステアの“ナナメ線”が繊細になるゲーム。
3. ブレーキと荷重移動(ターマック編)
◆ ブレーキの役目は「減速+フロント荷重」
ターマックでも考え方は同じで、ブレーキは:
- スピードを落とす
- フロントに荷重を乗せる(フロントタイヤのグリップを増やす)
この2つの役割がある。
特にラリーだと、
「いつブレーキを終わらせるか」より、「どこまで荷重をフロントに残すか」
の方が重要になる場面が多い。
◆ いつまでフロント荷重を残す?
ターマックの進入イメージはこんな感じ:
- 直線 → 強めブレーキでガッツリ減速&前荷重
- コーナー手前 → ブレーキを“スーッ”と抜きつつ、ステアを入れ始める
- ステアを切った直後 → ブレーキを少しだけ残した状態(トレイルブレーキ)
- 向きが変わり始めたら → ブレーキオフ → 軽くアクセル
ここでのポイントは:
- グラベルほど大きく滑らせない
- でも、フロント荷重ゼロ状態でステア入れるとアンダーになりやすい
なので、
ステア切り始め〜向きが変わり始める“ほんの一瞬”は、軽くブレーキを残しておく
ってのが理想形。
◆ トレイルブレーキの“深さ”が違う
グラベルと比べると、ターマックのトレイルブレーキは:
- 残す量:控えめ(10〜20%くらいのイメージ)
- 残す時間:短め
になりやすい。
なぜかというと、ターマックはグリップが高いから:
- 縦(ブレーキ)と横(曲がる)の力を同時に使いすぎると
- 一瞬で限界を超えて、「ズルッ」と一気に滑る
から。
グラベルみたいな「ずっとズズズ〜」じゃなくて、
限界超えた瞬間に“ドンッ”と来ることがある
ので、操作はちょい繊細寄りになる。
4. ステアリング操作:切りすぎない・戻しすぎない
◆ 舵角は「必要最低限」を目指す
ターマックでやりがちなのが:
- 曲がりたい → 不安 → もっとハンドル切る
- でも実際には、タイヤがもう限界でこれ以上は曲がらない
- 結果、ハンドルだけいっぱい切ってただのアンダー
ってパターン。
理想は、
「この舵角ならタイヤがちゃんと仕事できる」ラインを探すこと
そのために:
- まずは少なめの舵角で入ってみる
- 曲がり足りないなら、
- もっと切る前に、
- ブレーキを少ーし残してフロント荷重を増やす
って順番で調整する方が安定する。
◆ カウンターは“細かく刻む”イメージ
ターマックでも、ペース上げると軽くスライドは出てくる。
- お尻が軽く流れたら
- いきなりフルカウンターじゃなくて
- 「切る → ちょっと戻す」を刻む感じ
にすると、タイヤのグリップを殺さずに済む。
特にハンコン勢は、
- カウンターを手で“振り回す”んじゃなくて、
- タイヤのグリップの変化をステアから感じて、じわっと当てていくイメージで。
5. 駆動方式別・ターマックラリーの乗り方
◆ 4WD(AWD)
ターマックでも4WDは超優等生。
- 進入:ブレーキ+軽いトレイルでノーズを入れる
- クリップ前後:早めにアクセルを“乗せて”いく
- 脱出:4輪で路面を掴んでグイッと前へ
ポイントは、
舵角が多いまま全開にしないこと
- ハンドルがまだたくさん切れてるなら
- アクセルは“7〜8割”までにしておく
- ハンドルを戻していくのと連動して
- アクセルも踏み増す
ってリズムを作ると、トラクションが抜けにくくなる。
◆ FF
ターマックFFは、マジでアクセルオンのタイミングが命。
- アクセル踏む → フロントに駆動力 → タイヤに負担増える
- 同時にステアも切ってる → 横方向の仕事もさせてる
つまり、
フロントタイヤ1本に「加速+曲がる」を全部押しつけてる状態
になりやすい。
なので:
- 進入〜クリップまでは、
- ブレーキ&ステア主体で向きを作る
- クリップ過ぎて、
- ステアを少し戻しながら、
- アクセルを「ちょい → 半分 → ガッ」と踏み増す
っていう、
「舵角が減るのと連動してアクセルを増やす」
意識がめちゃ大事。
◆ FR
FRのターマックラリーはご褒美モードだけど、その分めっちゃシビア。
- 進入でブレーキ&ステア
- 向きが変わり始めたあたりで、
- アクセルをちょいと乗せると、
- リアが軽く出て向きが変わる
この
「ちょいアクセルでお尻を軽く動かす」
感覚を掴めると、一気に楽しくなる。
ただし、
- 雑にアクセル全開 → 一瞬でリアブレイク → スピン
ってなりやすいので、
- 最初は4WDでラインと荷重の感覚を作る
- その後でFRに乗り換えて、同じステージを走ってみる
ってステップがおすすめ。
6. ターマックでの「滑らせ方」と「滑らせない方」
◆ 基本は「グリップ走行」優先
タイムだけ狙うなら、ターマックは:
- できるだけ滑らせず
- タイヤのグリップを最後まで使い切る
方向の方が速いことが多い。
ただ、ラリーだと、
- ヘアピン
- 視界の悪いS字
- 勾配のキツいコーナー
では、あえて軽くテールを出して、
クルッと向きを変えて、直線部分を増やす
ってテクが生きてくる。
◆ ブレーキターン/サイドブレーキターン的な使い方
ゲームやマシンによるけど:
- ヘアピンで、
- 進入直前に強めブレーキ
- ステアを切る
- 必要ならサイド(ハンド)ブレーキを一瞬引く
ことで、
- リアを軽くスライドさせて
- クルマを“その場でクルッと回す”ように向き変えできる
これはターマックでも有効。ただし、
- 毎コーナーやるとタイムはむしろ落ちる
- タイヤ温度・摩耗もえぐい
ので、
「ここだけは一気に回したい」コーナー用の武器
くらいに考えとくとちょうどいい。
7. ターマック練習メニュー
メニュー1:ブレーキポイントとトレイル量の比較
同じターマックコーナーで、こういう感じで比べてみる:
- ブレーキ完全手前型
- コーナー手前でブレーキを全部終わらせてからステア
- → 安定はするけど、曲がりが鈍い&遅くなりがち
- 軽トレイル型(おすすめベース)
- ステア切り始めまではブレーキを少し残す
- 向きが変わり始めたところでブレーキオフ
- トレイル深すぎ型
- わざとブレーキを長く残しすぎてみて、
- どこからリアが不安定になるか体感する
そのうえで、リプレイで:
- ペダル入力
- クルマの姿勢(ピッチ&ロール)
をセットで見ると、どのパターンが一番「怖くないのに速いか」が見えてくる。
メニュー2:舵角とアクセルのリンク練習
- 適度なRの中速コーナーを選ぶ
- 周回ごとに意識するのはただ1つ:
「ハンドルを戻すのと同時に、アクセルを増やす」ことだけに集中する
- 最初は
- 舵角が残ってるのにアクセルを踏みすぎてないか
- 慣れてきたら
- 舵角を早めに戻して、アクセルオンも早める
このセットを繰り返すと、
- FRでもFFでも4WDでも
- 「脱出のトラクションの掴み方」が一気に上達する。
8. まとめ:ターマックは“繊細なグリップコントロール”の世界
ターマック編のポイント、最後にざっと整理すると:
- ターマックラリーは、
- グラベルほど派手に滑らせない
- でもサーキットほど「理論タイム一点狙い」でもない
- ブレーキは
- 減速+フロント荷重を作るツール
- ステア切り始め〜向きが変わる瞬間まで、軽く残すトレイルブレーキが基本
- ステアは
- 「必要最低限の舵角」を探すゲーム
- 曲がらないときは、ハンドル増し切りより先に“荷重のかけ方”を見直す
- 駆動方式ごとに、
- 4WD:早めアクセルで“引っ張って曲がる”
- FF:舵角が減るのとリンクしてアクセルオン
- FR:ちょいアクセルでリアを動かすが、雑踏み禁止
- 基本はグリップ走行優先、
- ヘアピンや特殊コーナーだけ、
- ブレーキターン/サイドブレーキをスパイス的に使う
グラベル編とターマック編、両方で共通してるのは:
「縦G(ブレーキ・アクセル)と横G(ステア)をどう配分するか」
って考え方。
この軸さえ頭のど真ん中に置いておけば、マシンが変わっても、ステージが変わっても応用効くようになるから、走りながら少しずつ自分の感覚に落とし込んでってみて。

