18世紀ヨーロッパの七年戦争を舞台に、自分だけの軍隊を育てながらリアルタイム戦術戦とローグライト風キャンペーンを回していく『Master of Command』。Total WarやUltimate Generalあたりが好きな人にはブッ刺さりそうな一本。補給も士気もぜんぶ自分の采配次第で、生き残った兵たちにどんどん愛着が湧いていくタイプのゲーム。ここでは、どんな遊び心地なのかをギャル目線でゆるっと紹介してく。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Master of Command |
| デベロッパー | Armchair History Interactive |
| パブリッシャー | Armchair History Interactive |
| ジャンル | リアルタイム戦術ストラテジー / ローグライトキャンペーン |
| 発売日 | 2025年10月27日 |
| 対応言語 | 英語ほか9言語対応(フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語簡体字など)※日本語なし(2025年11月時点) |
| 価格(Steam定価・日本) | 3,400円(税込) |
どんなゲーム?
舞台は七年戦争まっただ中のヨーロッパ。プレイヤーはプロイセン、オーストリア、フランス、ロシア、イギリスといった列強の指揮官になって、自分の軍隊を率いてキャンペーンを戦い抜く。
構造としては大きくふたつ。
- キャンペーンマップ上で軍を動かすリアルタイムのストラテジーパート
- いざ交戦になったら切り替わる、歩兵・騎兵・砲兵を操るリアルタイム戦術バトル
キャンペーンはローグライト形式で、マップやイベント配置が毎回変わるタイプ。三幕構成になっていて、それぞれの地域で敵HQ(本営)を叩き潰すのが大目標。道中では村や街で補給・新兵募集・装備売買をしたり、ランダムイベントや小規模戦闘に突っ込んだりと、寄り道の誘惑が多め。
ただし食糧(プロヴィジョン)や弾薬、予備兵のストックは有限。森の中を遠回りすれば敵と遭遇しにくいけど、移動時間が伸びて腹ペコになる、みたいなトレードオフが常につきまとう。強行軍で一気に距離を詰めるか、フォレッジ(現地調達)で足を止めて食糧節約するか、その判断がそのまま生存確率に直結する感じ。
バトルは、いわゆる「線を引いてぶつける」ライン戦術がメイン。歩兵の戦列、側面を狙う騎兵突撃、後方から砲兵がひたすら殴る、というクラシックな18世紀スタイル。HPバーは「残りの兵の人数」で表現されていて、削れるたびに自分が部隊をすり潰している感覚がしっかり来る。
操作系はリアルタイムだけど、戦術ポーズ(タクティカルポーズ)あり。スペースキーで一時停止しながらじっくりオーダーを出せるし、ゲームスピードも上げ下げできるので、RTSが苦手でも落ち着いてライン戦を組み立てられるのがありがたいポイント。
さらにおもしろいのが部隊カスタマイズ要素。ライン歩兵にどの銃を持たせるか、装填を速くするアイテムを付けるか、鼓手や軍楽隊で士気を底上げするか、といった装備を自由に組み合わせて特徴づけていく。旗や制服のデザインもいじれるので、キャンペーン終盤には「この色の軍旗はあたしの精鋭グレナディア」「あのボロ軍服は前線をくぐり抜けまくった古参」みたいに、見た目から愛着が溢れる軍隊になっていく感じ。
コミュニティの反応は?
Steamの全体評価は「非常に好評」寄りで、リリース直後からレビュー数もしっかり伸びている状況。ざっくりまとめると、こんな声が多い印象。
ポジ寄りの感想
- 「Seven Years War版のTotal Warを、ローグライトに振り切った感じが新鮮」
- 「兵力じゃなくて士気とスタミナ管理が勝敗を分けるバトルが気持ちいい」
- 「部隊の装備とドクトリンを積み重ねていくキャンペーン構造が中毒性高い」
- 「5勢力×サブファクションの組み合わせでビルドの幅がかなり広い」
- 「価格に対してリプレイ性が高く、ソロ専用だけどボリュームは十分」
外部レビューサイトでも総じて評価は高めで、「ガチガチの軍事シムというより、ゲームとしての遊びやすさと歴史要素のバランスが良いリアルタイム戦術ゲーム」というトーンが多い。
ちょっと気になる点として挙がっているところ
- 戦場マップのバリエーションがやや乏しく、続けて遊んでいると景色が似通って感じる
- バトルのグラフィックは雰囲気重視で、AAA級のディテールを期待すると物足りない
- 砲兵のバランスやAIの挙動など、リアリティ面で気になる部分があるという意見
- アップデート頻度が高く、バランス調整がこまめに入るぶん、環境が落ち着くまで様子見したい派もいる
とはいえ、全体としては「多少粗削りなところはあるけど、今の時代にこの規模のリアルタイム戦術ゲームがちゃんと遊べるだけでも貴重」という空気感が強め。開発チームが現役でパッチを投げ続けているのも好印象になっている様子。
オススメや期待ポイント
1. 部隊への愛着がエグい
一度育てた部隊がキャンペーンを通してずっとついてくる仕様なので、「この連隊だけは絶対に壊したくない」って気持ちが自然に出てくる。名前や旗、制服まで変えられるおかげで、ロールプレイもはかどる。Battle Brothersとか好きな人は、この感覚かなりハマりそう。
2. ローグライト×リアルタイム戦術の組み合わせ
毎回マップやイベント構成が変わるので、「今日は慎重に補給を固めてからHQを叩きに行くか」「今回はCossack系ビルドで暴れ回るか」みたいに、プレイごとのテーマを決めて遊ぶのが楽しい。負けても経験値が残るタイプのゲームじゃないけど、プレイヤー自身の学びがどんどん積み上がっていく感じ。
3. タクティカルポーズ付きで遊びやすい
RTSってだけ聞くと構えちゃう人もいると思うけど、本作はポーズしながらじっくり命令を整理できるタイプ。射線や側面を取りに行くライン戦に集中できるから、「忙しさ」より「読み合いと布陣」のおもしろさが前面に出ているバランス。
4. Armchair Historian節のビジュアルと世界観
YouTubeチャンネル「The Armchair Historian」でおなじみの、ちょっとデフォルメされた歴史イラスト調のアートがゲーム全体に使われていて、UIも含めて独特の雰囲気。カットシーンやイベントイラストを眺めているだけでも、七年戦争期のヨーロッパ情緒がじわじわ染みてくる。
今後のロードマップ次第では、追加のキャンペーンや新勢力にもかなり期待できそうな土台。七年戦争が好きな人はもちろん、「Total War系のライン戦は好きだけど、もっと1軍団にどっぷり感情移入したい」層にはかなり推せる一本。
まとめ
『Master of Command』は、18世紀の戦列歩兵戦をテーマにしつつ、キャンペーン構造をローグライト寄りに振ったリアルタイム戦術ゲーム。補給・士気・スタミナ・地形といった要素を、ほどよい複雑さでまとめてあって、シミュ系ほどのハードさはないのに、ちゃんと「采配した感」を味わえるバランスになっているのが魅力。
日本語未対応なので、イベントテキストやドクトリン説明を読むにはある程度の英語力は欲しい。でも、インターフェースは割と直感的だし、戦闘部分は数回プレイすれば流れを掴めるレベル。歴史ストラテジーが好きで、英語UIでも抵抗ないならチェックして損はないタイトル。
七年戦争の空気を感じながら、自分だけの精鋭軍団を育てていきたい人におすすめの一本。

