1930年代ニューヨークを舞台に、自分の新聞社タワーを建ててメディア王を目指す経営シム。印刷機からトイレ、記者の机に広告営業のデスクまで、ぜんぶ自分で配置して、日曜締切の新聞づくりに追われる忙しさがクセになるタイプのゲーム。真面目なジャーナリズムに振るか、ゴシップで部数を稼ぐか、倫理観を毎週ゆさぶってくるのがキモい。タイクーン好きも歴史モノ好きも刺さるやつ。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | News Tower |
| デベロッパー | Sparrow Night |
| パブリッシャー | Twin Sails Interactive |
| ジャンル | 新聞社経営シミュレーション / タイクーン |
| 発売日 | 2025年11月18日(Steam正式版) |
| プラットフォーム | PC(Steam / Windows, macOS) |
| 対応言語 | 英語 / フランス語 / ドイツ語 / スペイン語(スペイン) / ポーランド語 / ブラジルポルトガル語 / ロシア語 / 簡体字中国語 |
| 価格(Steam) | 2,900円 |
どんなゲーム?
舞台は世界恐慌まっただ中の1930年代ニューヨーク。プレイヤーは街の一角に細長いビルを建てて、その中に自分の新聞社をまるっと収めることになる。
最初はガラ空きのワンフロアしかないところからスタート。輪転印刷機、編集デスク、記者たちのオフィス、暗室、法務部、休憩スペース、そしてトイレまで、必要な部屋をレイアウトしつつフロアを増築していく。壁やエレベーター、空気輸送管(エアシューター)みたいなチューブの配置で、社員の動線と仕事の効率がガラッと変わる感じがかなりパズル寄り。
中で働くのは、記者・写真家・編集・広告営業・コピーライター・清掃スタッフなど、30種類以上の職種。ひとりひとりに得意分野やパラメータ、性格みたいな要素があって、誰をどこに置くかで新聞のクオリティも変わる。コーヒーメーカーや観葉植物、ポスター、果てはスロットマシンまで置いて士気を上げていくのもポイントで、まさに「人を回してなんぼ」の経営シム。
ゲームの時間軸は「日曜発行の週刊紙」。毎週、日曜までに次号を仕上げるのが絶対ノルマ。月曜から土曜のあいだに、
- 記者たちに取材先(リード)を割り振る
- 出てきたネタを編集して記事にする
- 写真や広告もそろえて紙面レイアウトを組む
って流れをこなして、最後に新聞を刷る。紙面レイアウトでは、政治・犯罪・スポーツみたいなトピックと、「スキャンダル」「ゴシップ」「調査報道」みたいなタグを組み合わせて表紙を作る感じで、アイコンのシナジーをつなげていくと売り上げボーナスが乗る仕組みになってる。
操作感としては、いわゆる2D見下ろしの経営シム+お仕事管理ゲーム。ポーズをかけながらレイアウトをいじったり人員配置を変えたりする系で、UI自体はシンプル寄りだけど、扱う情報の量はかなり多め。新聞記事そのものを読むというより、「どのジャンルとトーンで出すか」を選んでいくのがメインで、ニュース編集長ごっこを気軽に味わえる感じ。
コミュニティの反応は?
Steamのユーザーレビューは現時点で「圧倒的に好評」評価。レビュー総数は2,000件オーバーで、そのうち9割以上が好評という数字になっていて、経営シム好きのあいだではかなり話題になってるタイトル。特に「新聞社」というニッチ寄りのテーマなのに、遊びやすさと中毒性のバランスがうまくハマってる、って意見が多い印象。
高評価のポイントとしてよく挙がってるのが、
- ビル内レイアウトと人員配置のパズル感
- 毎週日曜締切に向けて走り続けるテンポの良さ
- 真面目な報道か、センセーショナルな紙面かでガラッと変わる読者の反応
あたり。記者たちのスキルや性格を育てていく要素が好き、って声もかなり見かける。
海外メディアからの評価も高めで、「テンポの良い新聞社経営シム」「古き良きビジネスタイクーンの現代版」みたいなトーンのレビューが多い。1930年代ニューヨークの空気感と、メディアの倫理を軽いノリで触らせてくるゲームデザインが、記者もの・歴史もの好きには刺さりやすい雰囲気。
一方で、気になるポイントとして挙がっているのは、
- レイアウトや設備の移設がちょっと扱いづらい
- 情報量が多くて、UIがごちゃっと感じることがある
- 編集方針の分岐は楽しいけど、「もっと政治・思想面のロールプレイをしたい」という欲張りな声
みたいなところ。とはいえ全体としては「細かい気になるところはあるけど、時間を溶かすタイプの良作」として受け止められてる空気感。
Redditでも専用サブレや、コージー寄りのゲーム好きが集まる板でじわっと盛り上がってて、「オフィス管理とジャーナリズムのバランスがいい」「思ったよりシビアな経営ゲームだった」みたいなコメントが目につく感じ。
オススメや期待ポイント
1. 新聞社タワーづくりがガチに楽しい
ただオフィスを並べるだけじゃなくて、動線と効率を徹底的に考える必要があるのがこのゲームのコア。エレベーターの位置が悪いせいで記者が締切に間に合わないとか、トイレが遠すぎて集中力が切れるとか、現実の会社でもありそうなトラブルがそのままゲームに落ちてる感じ。
「ビル経営シム+お仕事パズル」が好きな人は、この部分だけでかなり刺さると思う。
2. 倫理と部数の板挟みロールプレイ
市長・マフィア・軍部・上流社会という4つの勢力が、裏でいろいろ圧をかけてくるのも見どころ。スキャンダルを握りつぶして便宜を図ってもらうか、あえてぶち抜きの一面でぶっ叩いて読者の信頼を取りにいくか。
やり方次第で、
- 訴訟でボコボコにされる
- マフィアに目をつけられる
- 権力側とズブズブの関係になる
みたいな展開も見えてきて、ちょっとダークなメディアごっこができるのが良きポイント。軽いタッチで扱ってるから、そこまで胃の痛くなるシリアスさには振れてないのも遊びやすいところ。
3. ライバル紙とのシェア争い
ニューヨークの各地区(ハーレムやウォール街など)ごとに読者の好みが違っていて、そこに既存のライバル紙が2社いる設定になってる。真面目な老舗紙と、半分広告みたいな記事で数字を叩き出す新興タブロイド、みたいなイメージ。
どの地区で、どの読者層に向けて、どういう紙面をぶつけていくか。配達や広告も含めて、「どこでシェアを抜きにいくか」を考えるのがめちゃ戦略ゲー。数字が伸びてくると、きっちり成果として見えるから、自分の編集方針に手応えを感じやすいのも気持ちいいところ。
4. タイクーン入門にも良さげ
昔ながらのシミュレーションゲームっぽい見た目なんだけど、チュートリアルと段階的なアンロックがしっかりしてて、最初の数時間はかなり丁寧に導いてくれるタイプ。難易度が急に跳ね上がるというより、「やれることが少しずつ増えて、気づいたらガチ経営してる」って流れになってるのが、タイクーン初心者にも優しい印象。
ただし日本語非対応なので、記事トピックやタグ、スタッフ特性の説明など、英語のテキストはそれなりに読むことになる。最低限の英語に抵抗ない人向け、って感じの入口だと思っておくと良き。
まとめ
News Towerは、新聞社というちょっとマニアックな題材を、遊びやすい形のタイクーンゲームに落とし込んだ一本。ビルのレイアウトから人員配置、編集方針、勢力との距離感、ライバル紙とのシェア争いまで、メディア運営の泥くさい部分をポップなビジュアルとテンポでまとめてあって、「気づいたら数時間経ってる」タイプの時間泥棒。
UI周りや日本語非対応なところは人を選ぶけど、経営シムが好きで、1930年代のアメリカやメディアの裏側にちょっとでも興味あるなら、かなりおすすめライン。ジャーナリスト気取りで硬派に攻めるもよし、開き直ってゴシップ紙の帝王を目指すもよし。
自分なりの「理想の新聞社」をタワーごと作り上げて、ニューヨークのメディア地図を書き換えていく快感を味わいたい人に、ぜひ触ってみてほしいタイトル。
