【ゲーム紹介】Seers Isle|中世北欧×シャーマンのマルチエンドノベル

ゲーム紹介

角の生えた謎の女と、シャーマン見習いたちのイニシエーション。『Seers Isle』は、中世北欧風ファンタジーの孤島を舞台に、選択で物語がガンガン変わっていくインタラクティブグラフィックノベル。1周はサクッと短めなんだけど、そのぶんルート分岐とキャラ同士の関係性をじっくり追いかけるリプレイ向きタイトルって感じ。

基本情報

項目内容
ゲームタイトルSeers Isle
デベロッパーNova-box
パブリッシャーNova-box
ジャンルインタラクティブグラフィックノベル / ビジュアルノベル
発売日2018年9月18日
対応言語英語・フランス語(日本語非対応)
価格(Steam定価)1,600円

どんなゲーム?

舞台は、中世北欧風の世界にある「預言者たち(Seers)」が住むとされる聖なる島。そこに、各部族から集められたシャーマン見習いたちの一行が上陸するところから物語が始まる。彼らは試練を乗り越え、島の守護者たるシアーズに認められれば、村に戻って本物のシャーマンとして力を授かれる、みたいな儀式の旅の真っ最中ってわけ。

面白いのは、いわゆる「主人公ひとりの視点」じゃなくて、パーティ全体の関係性が物語の軸になっているところ。誰に肩入れするか、誰の意見を後押しするか、どの選択肢で空気を揺らすかで、仲間たちの性格やムード、そして生き残るメンバーまで変わっていく。

ゲームとしては、テキストを読みながら選択肢を選んでいくスタイル。演出はヨーロッパコミック風の1枚絵が次々切り替わっていく感じで、コマ割りマンガを読んでいるようなテンポ感。BGMも、シーンの雰囲気に合わせてじわっと変化していくから、ヘッドホンで浸るとかなり没入感高め。

1周あたりはだいたい小さめのノベル一冊ぶんくらいで読み切れるボリューム。だから周回前提で、別のキャラに寄り添ってみたり、以前とは真逆の選択をしてみて、島の裏側や仲間たちの過去を掘っていくのがこのゲームの醍醐味になる。

コミュニティの反応は?

Steamでは「非常に好評」で、レビュー全体の評価はかなり高め。特に支持されているのは、アートワークと音楽、それから分岐の作り込み。ヨーロピアンコミック調のイラストは、1カットずつ壁紙にしたくなるレベルで、キャラの表情や仕草も丁寧。音楽も静かな曲が多いんだけど、旅の不安や儀式の神秘さをじわっと押し上げてくれる雰囲気系サントラって感じ。

海外レビューだと「選択が本当に物語を変えている感覚が強い」「ルートごとにテーマが違っていて何周もしたくなる」って声が多い。一方で、1周の長さがそこまで長くないぶん、「終盤の展開がちょっと駆け足に感じた」とか「8人近くいる主要キャラ全員にはさすがにスポットを当てきれてないかも」という指摘もちらほら。

Redditあたりでも、ビジュアルノベル好きの間では「アートが最高」「キャラ同士の関係性が刺さる」と推している人が多め。ガッツリ長編というより、短〜中編クラスの読み物を何冊も読み比べていくイメージで遊ばれてる印象。

オススメや期待ポイント

まず推したいのは、ヨーロッパコミック×北欧神話っぽい雰囲気作り。一般的なアニメ調ノベルとはまったく別ラインの画風で、霧の立ちこめる森や石碑だらけの丘、焚き火を囲む夜のキャンプシーンとか、いちいち「絵として完成してる」カットが続く。スクショ撮りながら眺めるだけでも楽しいタイプ。

次に、選択の積み重ねでキャラの性格や関係性がじわじわ変わっていくシステム。誰に共感して寄り添うか、誰の秘密を深掘りするかでエンディングも変わるから、「この周はこの子を最優先で守りにいく」みたいなロールプレイがしやすい。失敗してもゲームオーバーにはならないので、読み物としてどのルートに転がっていくかを楽しめるのも気楽で良き。

1周が短めなのも、時間の確保が難しい勢にはメリット寄り。ちょっとした週末に2〜3ルート読んで、自分の中で「この世界はこうだったのかも」と設定を組み立てていくのが気持ちいいタイプの作品。

注意点としては、日本語に対応していないところ。テキスト量はそこそこ多いので、英語かフランス語で読む必要がある。とはいえ、ファンタジーだけど超難解な専門用語だらけってほどでもないから、辞書片手にじっくり読むスタイルなら十分チャレンジ圏内かな。

まとめ

『Seers Isle』は、派手なギミックよりも「雰囲気」と「物語への入り込み」を重視したインタラクティブノベル。北欧神話テイストの世界観や、シャーマン見習いたちの心の揺れを、静かで美しいビジュアルと音楽で味わいたい人向きの一作。

英語ノベルを読んでみたい人、マルチエンディングのビジュアルノベルが好きな人、選択の積み重ねでキャラの関係性が変わっていく物語が好みなら、島に上陸してみる価値はかなり高いと思う。

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