Assetto Corsa Rally セッティング超入門 第9回 電子制御

ゲームマニュアル

ブレーキ編で「止まる・曲がるの土台」やったから、今回はその外側で支えてくれる電子制御いくよ。
ABS / TCS / THROTTLE MAP / ENGINE MAP、この4つが今日の主役。

ラリーって路面グリップがコロコロ変わるから、電子制御の使い方しだいで

  • 「スピンマシーン」
  • 「安定してそこそこ速いマシン」
    どっちにも化ける。
    しかも、Assetto Corsa Rallyだと数値いじるだけで性格がガラッと変わるから、ここ理解してるかどうかの差デカい。

  1. 1. この回でやること:電子制御で“安全ネット”を張る
  2. 2. ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をちゃんと理解する
    1. 2-1. 中身のイメージ:1秒間に何十〜何百回「踏み直してくれる子」
    2. 2-2. 「ABS値を上げる」とゲーム的にどう変わるか
    3. 2-3. 路面別:ターマック/グラベル/雪・ウェットのABSざっくり目安
      1. ■ ターマック(舗装)
      2. ■ グラベル(砂利)・ダート
      3. ■ 雪・ウェット
    4. 2-4. ドライバーのレベル別おすすめABS
  3. 3. TCS・スロットルマップ・エンジンマップとブレーキの関係
  4. 3-1. TCS(トラクションコントロール)の役割と、ABSとの噛み合い
    1. TCSがやってること
    2. 強くするとどうなるか
    3. TCSとABSが一緒に働くとどう感じるか
    4. 3-2. TCSのざっくり推奨ライン
  5. 4. THROTTLE MAP(スロットルマップ)とブレーキングのつながり
    1. 4-1. 何をしているのか
    2. 4-2. なんでブレーキと関係あるの?
    3. 4-3. スロットルマップの使い分け
  6. 5. ENGINE MAP(エンジンマップ)とエンジンブレーキ感
    1. 5-1. 何を変えているのか
    2. 5-2. エンジンブレーキとの関係
    3. 5-3. ENGINE MAPの路面別・レベル別ざっくり指針
  7. 6. 電子制御をどう詰めるか:おすすめ手順
    1. 手順1:まずは“過保護セット”で基準作り
    2. 手順2:ABSとTCSを少しずつ弱めてみる
    3. 手順3:スロットルマップで“乗り心地”を合わせる
    4. 手順4:ENGINE MAPで“エンブレ+加速”を微調整
  8. 7. まとめ:電子制御は“タイムを削る前の安全ネット”
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1. この回でやること:電子制御で“安全ネット”を張る

今回のゴールを先にまとめると:

  • ABS が 何をやってるか をイメージで理解する
  • 「ABS値を上げる・下げる」とゲーム上で何が変わるかを言葉にできるようにする
  • TCS / THROTTLE MAP / ENGINE MAP が
    • どう役割分担してるか
    • ブレーキフィールや立ち上がりにどう影響するか
      をざっくり掴む
  • 自分のレベル別・路面別に
    • 「まずはこの方向に振っとくと安定」
      っていうベースセットを持つ

機械式ブレーキ(マスター径とかバランスとか)は前回やったから、
今回は電子がどう手助けしてくれるかに絞っていく。


2. ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をちゃんと理解する

2-1. 中身のイメージ:1秒間に何十〜何百回「踏み直してくれる子」

ABSはざっくり言うと

「ロックしそうになったタイヤのブレーキ圧を、一瞬だけ抜いて、またかけ直す」

っていう動きをめちゃくちゃ高速で繰り返してるシステム

  • 各タイヤに付いてる車輪速センサー
    「あ、こいつだけ急に回転落ちた、ロックしそうだな」って検知
  • ECU(コンピュータ)が
    → そのタイヤのブレーキ圧を一瞬抜く
    → 回り出したらまた圧をかける
  • これを1秒間に何十〜何百回レベルでやってる

人間がペダルで「カカカカカッ」ってポンピングするより、
はるかに早く・正確に圧を調整してくれてる感じ。

OFFのときは、もちろんこの補助がゼロ。
ブレーキ圧のコントロールは全部ドライバーの足次第になる。


2-2. 「ABS値を上げる」とゲーム的にどう変わるか

Assetto Corsa Rallyのセッティング画面だと、車種によって違うけど
だいたい数値スライダーでABSのレベルを変えられるはず。

イメージはこんな感じ:

  • 値を上げる
    • ロックに対して敏感になる
    • 「ちょっとロックしそう?」くらいで早めに介入
    • ペダル雑に踏んでも、とりあえずタイヤはロックしにくい
  • 値を下げる
    • ロックするギリギリまで我慢してくれる
    • 上手く踏めれば制動力をギリギリまで引き出せる
    • ただし踏み方が雑だと、簡単にロック→滑走

で、メリット・デメリットはこんな感じ。

メリット(値高め)

  • パニックブレーキでもタイヤがロックしにくい
  • 横滑りからのスピンを抑えやすい
  • ブレーキ中でもハンドルが効きやすくて、操作の猶予が増える

デメリット(値高め)

  • 腕がある人にとっては
    ほんの少しだけ制動距離が伸びることがある
    (ABSが先にビビって圧を抜いちゃうイメージ)
  • グラベルや雪みたいな路面だと
    → 「ずっとガクガク言ってて、前に転がっていかない」
    → =介入がうるさいって感じやすい

ABS OFFにすると、ロックさせたくないなら自分でペダルを微調整するしかない。
完全に「上級者向けモード」だね。


2-3. 路面別:ターマック/グラベル/雪・ウェットのABSざっくり目安

数値そのものは車とMOD次第だから、方向性だけまとめるね。

■ ターマック(舗装)

  • グリップが高いから、ロック領域も狭い
  • ABS:中〜やや高めが無難
    • 初級〜中級なら「ちょい高め寄り」
    • 上級なら少しずつ下げて、踏み方で詰める

舗装は「タイム最優先」になりやすいから、
慣れてきたらABS弱めで自分でギリギリを攻める遊び方もアリ。

■ グラベル(砂利)・ダート

  • タイヤが簡単にロックしちゃう路面
  • ロックしたまま滑ってると、逆に止まらないこともある
  • ただ、ABSが強すぎると
    → ずっと介入してて、前に出ていかない感が出やすい

ここはバランス勝負で:

  • 初心者〜中級:
    → ターマックより少し低めのABS(介入弱め)にして
    → 自分でもペダルを“抜く”意識を持つ
  • 上級:
    → ステージによってはABSかなり弱めかOFFまで視野

■ 雪・ウェット

  • 超低μ路面。ロックしやすいし、ロックしたらマジで止まらない
  • でもABSが強すぎると、「いつまでも滑ってるだけ」感も出やすい

おすすめは:

  • 初心者:ABS高め
    → とにかくスピンしない・止まる方を優先
  • 中級以上:
    → 「ちょっとABSうるさいな」と感じ始めたら
    少しずつ数値を下げて、自分の踏み方も合わせて調整

2-4. ドライバーのレベル別おすすめABS

ざっくりこんな指針でOK。

  • 初心者
    • ABS:結構高め
    • 目的:まず「毎回ちゃんと止まれる」「スピンしない」こと
    • この段階では、制動距離より安定したリズムが大事
  • 中級
    • ABS:デフォルトから少しずつ下げていく
    • コーナーごとのブレーキポイントが安定してきたら
      → 「もうちょい踏めるな」と感じる範囲で弱めてみる
  • 上級
    • ステージとマシンで
      • ABS強め:夜/雨/視界悪いときの保険
      • ABS弱め〜OFF:タイム狙いのドライ路
    • 「このセクションは怖いからABS強め」「ここは攻めるから弱め」
      みたいに、使い分ける感覚までいけると一人前。

3. TCS・スロットルマップ・エンジンマップとブレーキの関係

ここからがMap系の本題
ブレーキペダルに直接付いてるわけじゃないけど、
姿勢変化・トラクション・エンジンブレーキを通して
ブレーキフィールにガッツリ絡んでくるメンツ。


3-1. TCS(トラクションコントロール)の役割と、ABSとの噛み合い

TCSがやってること

TCSは加速中の「空転しすぎ」を止める係

  • 駆動輪が急に回転上がったのを検知すると
    • エンジン出力を下げる(点火カット・スロットル絞るイメージ)
    • or 必要に応じてブレーキを軽く噛ませる
  • 特に
    • 超ツルツルのグラベル
      みたいな時に、一気に空転→横に飛んでいくのを防いでくれる

強くするとどうなるか

  • 強度高め
    • ちょっとでもホイールスピンしそうになるとすぐ介入
    • アクセル雑でも、車はそれなりに前に進んでくれる
    • ただし、加速が“もっさり”しやすい
  • 強度低め or OFF
    • 加速は鋭くなる
    • その代わり、アクセルワークヘタだと一気にホイルスピン&向き変わる

TCSとABSが一緒に働くとどう感じるか

  • 進入:ABSがロック防止
  • 立ち上がり:TCSが空転防止

どっちも介入強めだと、ドライバーからすると

「全部電子制御に止められてる感じ」「クルマが全然自由に動かない」

って印象になりやすい。

初心者〜中級のうちはあえて“過保護”気味でOKなんだけど、
タイムを詰めたいならどこかで

「ABS / TCSを少しずつ弱めて、自分の操作で稼ぐゾーンを増やしていく」

ってフェーズに入ってくる。


3-2. TCSのざっくり推奨ライン

  • 初心者
    • TCS:強め
    • 特にFR / MR車は立ち上がりでケツがすっ飛んで行きがちなので、
      最初は電子にだいぶ助けてもらった方がいい
  • 中級
    • TCS:中くらい〜やや弱め
    • 「真っ直ぐ加速してる時は介入ほぼないけど、雑に踏むと助けてくれる」くらいを狙う
    • ステージのグリップで1〜2段階いじるイメージ
  • 上級
    • グリップ高いターマック:弱め or OFFも視野
    • グラベル・雪:ミスのリスクとタイムのバランス見ながら微調整

4. THROTTLE MAP(スロットルマップ)とブレーキングのつながり

4-1. 何をしているのか

スロットルマップは

「ペダルの踏み込み量」と「エンジンがどれだけ反応するか」

をつないでるカーブみたいなもの。

  • 敏感なマップ
    • ちょっと踏んだだけで、スロットル開度がグイッと増える
    • ピリッとしたレスポンスで、アグレッシブな走り向き
  • 穏やかなマップ
    • 同じペダル量でもスロットル開度は控えめ
    • じわ〜っとパワーが出るので、スピンしにくい

4-2. なんでブレーキと関係あるの?

コーナーひとつ取ると、実際の操作は

  1. アクセルオフ
  2. ブレーキで減速
  3. クリップに向けてブレーキリリース
  4. アクセルオンで立ち上がり

って流れになってる。

このとき

  • アクセルオフの瞬間のエンジンブレーキ感
  • ブレーキ離してアクセル踏み始めたときの“ドンッ”とくるトルク

を決めてるのがスロットルマップ。

  • 敏感マップだと
    • ブレーキからアクセルに乗せ替えた瞬間にトルクがガツン
    • 荷重移動が急で、姿勢が乱れやすい
  • 穏やかマップだと
    • 立ち上がりがマイルド
    • ロールやピッチの変化が緩くて、車の挙動が読みやすい

= ブレーキを離してからアクセルに乗せる“橋渡しのスムーズさ”を作るパラメータってイメージ。

4-3. スロットルマップの使い分け

  • ターマックでアタックしたいとき
    • 反応が遅いと「もたつく」ので
      やや敏感寄りをチョイス
    • ただし自分の右足が追いつかないと、立ち上がりでスピン祭りになるから注意
  • グラベル・雪・ウェット
    • グリップ低いので、敏感マップだとすぐホイルスピン
    • 基本は穏やかなマップからスタート
    • 慣れてきたら、ちょっとだけ敏感側に振ってタイムを狙う
  • 初心者全般
    • どの路面でも最初は穏やかマップ推奨
    • まずは「アクセルオンで車が暴れない安心感」を作ってから、徐々に刺激を増やすのが吉

5. ENGINE MAP(エンジンマップ)とエンジンブレーキ感

5-1. 何を変えているのか

エンジンマップは

「どの回転数で、どれくらいトルクを出すか」

を変える設定。

  • 低いマップ番号
    • 低回転からガツンとトルクを出す
    • 滑らかな路面での立ち上がりが鋭い
  • 高いマップ番号
    • 高回転寄りにパワーを寄せるイメージ
    • 低回転では穏やかで、トルクの立ち上がりがマイルド
    • 緩い路面でのスムーズなパワーデリバリーに向く

5-2. エンジンブレーキとの関係

エンジンマップを変えると、
アクセルオフしたときの減速感(エンブレ)も、体感として変わる。

  • 低いマップ(低回転トルク太め)
    • アクセル抜いた瞬間から「グッ」と減速しやすい
    • ブレーキと合わせると、減速Gが強くて車の頭が入りやすい
    • ただしリアの荷重が抜けすぎると、不安定になりやすい
  • 高いマップ(高回転でパワー出す)
    • 低回転域のエンブレ感が少しマイルド
    • 減速が穏やかで、挙動がゆっくり変わる
    • グラベルや雪での「いきなりケツが出る」のを抑えやすい

ここがブレーキとのコンボポイント

  • 「ブレーキはそんなに強く踏んでないのに、進入でリアがすぐ出る」
    → エンジンマップがロー側すぎて、エンブレ強すぎかも
  • 「ぜんぜん頭入らない、止まってくれない」
    → ロー側マップにしてみると、ちょっと楽になることもある

5-3. ENGINE MAPの路面別・レベル別ざっくり指針

  • ターマックで攻めたいとき
    • 低めのマップで、低回転トルク重視
    • 強めのエンブレ+ブレーキでガツンと減速して、
      早めに向きを変えて立ち上がり勝負、みたいな走りに合う
  • グラベル・雪
    • いきなりトルクがドンと出ると一瞬でホイルスピン
    • 基本は高めマップ
      スムーズなパワーデリバリー重視
  • 初心者
    • とりあえず中〜高めのマップからスタート
    • 「この車、立ち上がりで全然パワー出ないな」と思い始めたら
      ちょっとずつ低め側を試していく感じ

6. 電子制御をどう詰めるか:おすすめ手順

最後に、実際にAssetto Corsa Rallyでセッティング触る時の流れをまとめておくね。

手順1:まずは“過保護セット”で基準作り

  • ABS:やや高め
  • TCS:高め
  • THROTTLE MAP:穏やか
  • ENGINE MAP:中〜やや高め(緩い路面も想定)

この状態で、同じステージを何本か走って

  • ベストから±0.5〜1.0秒くらいの範囲にラップが収まるか
  • 変なスピンやクラッシュが減ってきたか

を基準に、まず「安定して走れる自分の土台」を作る。

手順2:ABSとTCSを少しずつ弱めてみる

  • いきなり大きく変えないで、1〜2クリックずつ(ゲーム内の刻みに合わせて)
  • 変えたら、必ず同じステージを何本か走ってフィーリング確認
  • ねらい:
    • 介入が減って、
      → ブレーキングと立ち上がりで「自分が操作してる感」が増えるか
    • 逆にスピンが増えてるなら、戻す勇気も持つ

手順3:スロットルマップで“乗り心地”を合わせる

ABS / TCSの大枠が決まってきたら、

  • 「立ち上がりで車が暴れがち」なら
    → THROTTLE MAPを穏やか側
  • 「もっとレスポンス欲しい!」なら
    → 少しだけ敏感寄りに振ってみる

ここはもう、ほぼ好みと操作の癖の世界。
自分が一番リズム取りやすいポイントを探す。

手順4:ENGINE MAPで“エンブレ+加速”を微調整

最後に、ENGINE MAPで

  • 進入のエンジンブレーキの強さ
  • 立ち上がりのトルクの出方

を好みに寄せる。

  • 進入でフロントが入りにくい
    → 低めマップでエンブレ強め
  • 立ち上がりでホイルスピン多すぎ
    → 高めマップでトルクの立ち上がりをマイルドに

7. まとめ:電子制御は“タイムを削る前の安全ネット”

今回のポイントをざっくりまとめると:

  • ABS
    • ロック防止で「止まる・向き変える」の安定担当
    • 値高め=安全寄り、低め=タイム寄り
  • TCS
    • 立ち上がりでのホイルスピン抑制担当
    • 強め=誰でもそこそこ前に進む
    • 弱め〜OFF=速いけど難しい
  • THROTTLE MAP
    • アクセルのレスポンスカーブ
    • ブレーキからアクセルへの“橋渡しのスムーズさ”を決める
  • ENGINE MAP
    • トルクの出方とエンブレ感を調整
    • ターマック=低めでガツン、緩い路面=高めでスムーズが基本

電子制御は、どれも「車の安全ネット」
最初は強めに張っておいて、走りに慣れてきたら

「ちょっとずつネットを緩めて、自分の腕で稼げるゾーンを増やしていく」

こういう感覚で触ると、セッティングの迷子になりにくい。

次に他の項目いじるときも、

  • ブレーキ:前回のメカ編
  • 電子制御:今回のABS/TCS/Map

この2つをちゃんと押さえておくと、
足まわり・駆動系・タイヤを動かしたときの“挙動の意味”も、だいぶ読みやすくなるはず。

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