Assetto Corsa Rally 足回りセッティング超入門 第1回 サスペンション

ゲームマニュアル

足回りいじるとラリーカーはこう変わる

ラリーゲームでタイム詰めていくと、どこかで必ずぶつかる壁が「足回り」。
エンジンやギアだけ盛っても、タイヤがちゃんと路面を掴んでくれないと意味ないんだよね。

Assetto Corsa Rally も同じで、マシンの速さと乗りやすさは

  • サスペンション(スプリング+ダンパー)
  • アクスル&アンチロールバー
  • タイヤ

この辺のバランスでガラッと変わる。

今回はその中でも 「サスペンション」=足回りの土台 にフォーカスして、
「どこをどう触ると、マシンがどう変わるのか」を整理してく回。


Assetto Corsa Rally の足回りメニューざっくりマップ

まず、ゲーム内で足回りに関係するメニューを整理しとく。

  • Suspensions
    • 車高(Adjuster Ring / Ride Height)
    • スプリングの硬さ(Spring Stiffness)
  • Dampers
    • スローバンプ / スローリバウンド
    • ファストバンプ / ファストリバウンド
  • Axles / Anti-Roll Bars
    • 前後アンチロールバーの硬さ

このうち今回いじるメインは Suspensions → 車高とスプリング

ゲーム内テキストでも、サスペンションの役割はざっくりこう書かれてる:

サスペンションの調整は、車両のレスポンスを改善し、シャシーの変動を最小限に抑えつつ路面の凹凸を追従し、最高のパフォーマンスを引き出すことを目的としている。適切なグリップなしには、エンジンの力を完全に路面に伝えることは不可能である。

要するに、

  • ボディの揺れを抑えつつ
  • タイヤを路面に押しつけ続ける

この2つを同時にいい感じにやるのがサスペンションってわけ。


足回りセッティングの考え方の基本

足回りはざっくり 2つの視点 に分けて見るとラクになる。

  1. 機械バランス(どのタイヤにどれだけ仕事をさせるか)
    • スプリングの硬さ
    • アンチロールバーの硬さ
  2. トランジェント(荷重移動のスピード・滑り出し方)
    • ダンパー(バンプ / リバウンド、スロー / ファスト)

今回のテーマは ① の 機械バランスを決める部分

  • まず 車高とスプリングで「土台のキャラ」 を決める
  • そのあと、ダンパーで 動きの速さや落ち着き を整える

この順番で触ると、セッティング沼にハマりづらい。

いきなりダンパーからいじると、

「なんか良くなった気もするけど、別のところが変になった」

っていうラリーあるあるに突入しがち。まずは土台からいくのが安定ルート。


サスペンション編:車高とスプリングで“土台”を作る

サスペンションの役割をもうちょいちゃんと整理

要点をまとめると、サスペンションの仕事は:

  • 路面の凹凸を追いかけて、タイヤを常に路面に押しつける
  • ボディのピッチ(前後のノリノリ)とロール(左右のグラグラ)をコントロールして、
    ドライバーの入力に対して素直に反応させる

ここがちゃんと決まってないと、

  • アクセル踏んでも空転ばっかり
  • ブレーキでノーズが潜りすぎてコントロール不能
  • コーナーの途中でフラフラしてステアリング調整が止まらない

みたいな“しんどい車”になる。

なので、エンジンパワー盛る前にサスを整えるほうがトータルで速くて楽


1. 車高(Adjuster Ring / Ride Height)の決め方

ゲーム内だと「Adjuster Ring」が車高を決める項目になってる。

アジャスターリングは、スプリングプリロードを上下に移動させることで車高を変更する。
車高を上げると底付き防止に役立ち、特に荒れた路面でのマス応答を抑える。
車高を下げると入力に対して反応が良くなるが、荒れた路面で底付きのリスクが増える。

1-1. 車高を上げるとどうなる?

良いところ:

  • サスのストロークを多く使えるから、底付きしにくい
  • ジャンプ着地や大きいギャップで、ボディに来るショックがマイルド

悪いところ:

  • ロール・ピッチの量が増えて、反応がワンテンポ遅くなる
  • 高速ターマックだと、フラフラ感が出やすい

1-2. 車高を下げるとどうなる?

良いところ:

  • ロール量が減って、ステア操作に対してクイッと反応する車 になる
  • 重心が下がるので、ターマックやフラットなグラベルで安定感アップ

悪いところ:

  • ストロークが減って、ギャップやジャンプで底付きしやすくなる
  • 荒れた路面だと、タイヤが路面に追従しきれず 「すっぽ抜ける」感じ が出やすい

1-3. 路面別のざっくり車高目安

  • 荒れたグラベル / スノー系
    • 車高:やや高め
    • 理由:ストローク確保優先。底付きした瞬間に一気にグリップ失ってスピンしがちだから、防御寄り。
  • ハイスピード・フラットグラベル
    • 車高:中くらい〜やや低め
    • 理由:ストロークはある程度残しつつ、高速域での安定感を狙うポジション。
  • ターマック(舗装)
    • 車高:低め
    • 理由:ギャップも少なくてグリップ高いから、反応重視。ただし縁石とジャンプが多いステージは要注意。

1-4. 調整のコツ

車高をいじるときは、前後同じだけ動かすか、前後どちらかを意図して変えるか を意識する。

  • フロントだけ上げる → ブレーキ時のノーズダイブを抑える方向
  • リアだけ上げる → 加速時のリア沈み込みを抑えつつ、ちょいオーバー寄りの性格に

ゲーム的には 「まずは前後同じ量で全体の高さを決めてから、前後バランスを微調整」 が定番ルート。


2. スプリングの硬さ(Spring Stiffness)で曲がり方を作る

メインスプリングはサスペンションシステムの固有振動数を決定し、ドライバーの入力や路面の凹凸に対する車の反応に影響を与える。
より硬いリアスプリングは、リアホイールがバンプを乗り越える際により良く同期し、安定性を向上させるため一般的に好まれる。
フロントスプリングの硬さを増加させると、アンダーステア傾向が強まる。

ここから読み取れるポイントは3つ:

  1. スプリングは 車の“揺れの速さ”と“どこまで沈むか”を決めるパーツ
  2. 前後の硬さバランスで アンダー / オーバーのキャラ が決まる
  3. 路面の荒れ具合で、欲しい硬さのレンジが変わる

2-1. フロント/リアのスプリングと挙動の関係

ざっくりした傾向はこんな感じ:

  • フロントを硬くする
    • ブレーキ時のノーズダイブが減る
    • コーナー中のロールも減って、ステアリング入力に対して“ガチッ”とした感じ
    • ただし、アンダーステア(曲がらない方向)に寄りやすい
  • フロントを柔らかくする
    • ブレーキでノーズが入りやすくなって、ターンインでフロントがグッと食いつく
    • その代わり、ブレーキングがシビアになりやすい
  • リアを硬くする
    • リアのロールが減って、リアがくるっと回りやすい → オーバーステア寄り
    • 進入で振り回したい時、タイトコーナー多めのステージで有効
  • リアを柔らかくする
    • リアが粘って踏ん張る感じになり、安定方向&アンダー寄り
    • 立ち上がりで流れすぎる車を落ち着かせたい時に使える

2-2. 路面とスプリングの硬さの関係

現実のラリーでもそうだけど、基本はこう:

  • 荒れた路面 → 柔らかめ
    • サスがよく動いてくれたほうが、タイヤが路面をなぞれる
    • 硬すぎると、バンプでタイヤが跳ねて 「グリップしてる時間」そのものが減る
  • フラットでハイスピード → 硬め寄り
    • ロールとピッチを抑えて、車の姿勢を安定させる
    • 反応がダルい車は、高速域で怖いだけになる

ラリーカーは「常に柔らかい」ってイメージ持たれがちだけど、実際は

ストロークをちゃんと使いつつ、不要な揺れは抑える

このバランスを取るために、路面ごとに硬さを変えていく感じ。

2-3. 実際のいじり方:1クリックずつ前後バランスを見る

いきなり大きく数値を変えると、何が原因で挙動が変わったのか分からなくなる。

おすすめの手順はこんな感じ:

  1. まずはデフォルトセットをベースに、車高をざっくり路面に合わせて調整
  2. 次に、スプリングを
    • 「フロントだけ 1〜2クリック硬く」してテスト → 挙動メモ
    • 元に戻して「リアだけ 1〜2クリック硬く」してテスト → 挙動メモ
  3. その上で、「自分が欲しい曲がり方」に近づく方向を選ぶ

テストするときは、

  • 同じステージ
  • なるべく同じペース

で2〜3本走って比較すると違いが分かりやすい。

2-4. 「なんか乗りにくくなった」時のリカバリー

スプリング触っててよくある失敗がこれ:

  • 全部硬くした → どこもかしこも限界が急に来て怖い車
  • 全部柔らかくした → 姿勢が収まらなくていつまでもフラフラする車

こうなったら、一旦落ち着いて 「前後ともデフォルト値付近」 まで戻すのが早い。

そこから、

  • 「アンダー気味ならどっちをどう変えるか」
  • 「オーバー気味ならどっちをどう変えるか」

を意識して、前後どちらか一方ずつをいじるようにすると沼から抜けやすい。


3. 車高とスプリングをセットで考える

ここまでの話をまとめると:

  • 車高 = どれだけストロークを使うか・どれだけロールさせるか
  • スプリング = どれくらいの力で支えるか・どれくらいの速さで揺れるか

この2つは完全にセットで考えたほうがいい。

例えば:

  • 車高を下げたのにスプリングが柔らかいまま
    • フルブレーキや着地で簡単に底付き → 一気にグリップ喪失
  • 車高高め&スプリング硬すぎ
    • ストローク余ってるのにサスが動かない → タイヤが路面を追いかけきれない

まとめると、

  1. 路面に合わせて 車高レンジを決める
  2. その車高で ストロークを無理なく使える硬さ にスプリングを合わせる
  3. 前後バランスで アンダー/オーバーの方向性 を整える

この順番。


4. 今回のまとめと次回予告

今回は、足回りセッティングの中でも

  • サスペンション全体の役割
  • 車高(Adjuster Ring)の考え方
  • スプリング(Spring Stiffness)で曲がり方を作るコツ

ここをメインで整理してみた。

ポイントだけもう一回並べると:

  • 足回りは「タイヤを路面に押しつけ続ける装置」
  • 車高は ストローク量とロール量の土台
  • スプリングは 揺れ方とアンダー/オーバー傾向を決めるツマミ
  • いじるときは 前後どちらかを 1〜2クリックずつ、同じステージでテスト

次回は、同じ足回りでもう一段ディープな 「ダンパー編」

  • スローバンプ/リバウンド
  • ファストバンプ/リバウンド

セッティング関連記事

タイトルとURLをコピーしました